金王桜 【こんのうざくら】
(渋谷区指定天然記念物)
金王桜は、長州緋桜(ちょうしゅうひざくら)という種類で、雄しべが花弁化し、一枝に一重と八重が入り混じって咲く珍しい桜です。
金王八幡宮の「社伝記」によれば、文治5年7月7日(1189)源頼朝が藤原泰衡退治に凱旋の折り、渋谷高重の館に立ち寄り八幡宮に太刀を奉納された。その際金王丸御影堂に親しく参られ、父義朝に仕えた金王丸の誠忠を偲び、その名を後世に残すべしと厳命し、鎌倉亀ヶ谷の館にあった憂忘桜をこの地に移植させ、「金王桜」と名付けられました。
また、江戸時代に盛んに作られた地誌にも紹介され、江戸三名桜の一つに数えられました。
傍らには松尾芭蕉の句碑も弟子たちにより建立されています。
『しばらくは 花のうえなる月夜かな』
現在も頼朝の意志を受け継ぎ、3月最終土曜日に金王丸を偲び「金王丸祭」並びに「金王桜まつり」として、境内で花見の宴が盛大に催されております。
金王八幡宮 渋谷区渋谷3−5−12