◆金王八幡宮の大祭◆
金王八幡宮は、遡ること920年の昔、源義家と渋谷氏の祖 河崎基家により創建されました。その後渋谷氏は、金王八幡宮を中心に館を構え武蔵谷盛庄七郷(渋谷、代々木、赤坂、飯倉、麻布、一ッ木、今井)を領しておりましたので、金王八幡宮は現在も八幡道り(旧鎌倉街道)、青山通り、道玄坂(旧大山道)を中心とする青山・渋谷の総鎮守として崇められております。
金王八幡宮の例祭日は9月14日で、この後の土曜日、日曜日が町の賑わい行事として神輿の渡御などが行われます。
本年は9月18日(土)、19日(日)に開催され、18日(土)は、神社の神楽殿において地元の方々による奉納行事(大祭行事日程参照)が催されます。本年は特に、19日(日)に神社の鳳輦(ほうれん)が出御(しゅつぎょ)し、氏子地区の町内を巡行する神幸祭(しんこうさい)がおこなわれます。金王八幡宮の神幸祭は、3年に1度とされ、神様の御分霊が鳳輦に納められ、氏子の安寧を祈願して渡御する行事で、古式の装いの行列が粛々と進む様子を目にすることができます。
さらに、各町会の神輿も繰り出し、午後2時に「渋谷109」前に集まりお祓いの後、鳳輦、町会神輿にお囃子も加わった神輿の連合渡御が勇ましく行われ、渋谷の街は祭一色となります。
一方、表参道と青山通りの交差点では、午後2時30分に青山の町会神輿が集まり、お祓いの後連合渡御が行われ、おしゃれな街青山に威勢のよい掛け声が響き渡ります。
金王八幡宮の神輿は鎌倉時代の制作で作者は不明ですが、都内に現存する最古の神輿といわれています。
台座4尺 高さ8尺 重量百貫
江戸時代の初期に金王八幡宮の氏子であった青山百人組の人たちが、鎌倉の八幡宮の大祭に参詣の折り、当時の鎌倉七神輿の一つを担ぎ出し、そのまま渋谷まで担いで持ってきたと伝えられています。追手が来たものの日が暮れ見失ってしまったそうで、「暗闇坂(くらやみざか)」の由来としてその歴史を物語っております。
(暗闇坂:上目黒1丁目 目切坂の別名)
*宝物特別公開 9月14日〜19日
写真の『宮神輿』、『大江山鬼退治絵馬』(渋谷区指定有形民俗文化財)及び本年本屋大賞受賞「天地明察」に登場する『算額』(渋谷区指定有形民俗文化財)など多数